Development

人口シミュレーション

Making the future tangible, not just predictable.

壱岐市の人口問題に対して、2つの異なるアプローチで「想定される未来」の動的な可視化に取り組むプロジェクト。複雑なシミュレーションモデルの構築自体は専門家による研究を待つものとし、市民が当事者意識を持てるような「体感できるシミュレーション」の実現に重点を置いています。

01 BACKGROUND

どんな問題か

壱岐市の人口は2020年時点で24,948人。社人研の推計では2050年に13,199人まで減少し、65歳以上の比率は50%に達します。しかし、行政の人口ビジョンや統計資料は静的なグラフと数字の羅列に留まり、「自分の地域がどうなるのか」「どの施策にどれだけの効果があるのか」を市民が実感として捉える手段がありません。

なぜ壱岐でやるのか

離島は人口問題の影響がより先鋭的に現れるフィールドです。若年層の島外流出、Uターンの停滞、出生率の変化——これらが閉じた系の中で連鎖するため、構造がシミュレーションしやすい。壱岐で得た知見は、同規模の過疎地域にも応用可能です。

なぜ今やるのか

壱岐市の人口減少は加速期に入っています。2020年代後半は施策の効果が「まだ間に合う」最後の窓口とされており、今この段階でシミュレーションに基づく議論を始めることに意味があります。行政の次期人口ビジョン策定にも接続できるタイミングです。

02 EXPERIMENT

何をどう試しているか

2つの異なるモデルを並行して開発。sim1は因果ループ図エディタ——ホワイトボードに付箋を貼るように、施策要素(子育て支援、移住支援、雇用創出など)と社会指標(出生数、純移動数、総人口など)をノードとして配置し、それぞれの間に促進・抑制の因果関係を自由に描ける対話型ツール。ワークショップで参加者が因果構造を議論しながら構築する用途を想定。sim2は日立評論2019年3月号「社会駆動型AI」の3ステージ手法を参考にした未来シナリオシミュレーター。11指標の実績データをSupabaseで管理し、7つの政策レバーの重みづけによって結果がどう変わるかを動的に可視化する。

従来と何が違うか

行政の人口ビジョンは5年ごとの静的な推計が中心で、市民にとっては「数字の羅列」に留まりがち。このプロジェクトは、政策の重みづけを自分で操作し、結果の変化をリアルタイムに体感できる点が異なる。複雑なモデルの精度を追求するのではなく、市民が自分の地域の未来を「触れる」状態にすることを優先している。

03 STATUS
データ整理
sim1(因果ループ)
sim2(シナリオ)
活用・対話

現在の取り組み

sim1: 因果ループ図エディタ
sim1 — 因果ループ図
sim2: 未来シナリオシミュレーター
sim2 — 未来シナリオ
04 FINDINGS

見えてきたこと

動的な可視化は、静的なグラフや報告書と比べて、市民参加型の対話の場で明らかに反応が良い。

課題として残っていること

sim1の因果ループ図は自由度が高い反面、参加者のリテラシーによって構築される図の質にばらつきが出る。

sim2の政策レバーの数値(0〜100)が具体的に何を意味するか、行政や市民との共通言語化が進んでいない。

「わかりやすさ」を優先するとモデルの正確性が犠牲になり、「正確さ」を追うと一般市民には使えなくなるトレードオフ。

専門家による本格的なシミュレーションモデルとの役割分担が未整理。

まだ答えの出ていない問い

?

市民向けの「体感型」シミュレーションと、専門家による「精密な」シミュレーションをどう棲み分けるか

?

ワークショップで構築した因果ループ図を、定量的なシミュレーションにどう接続するか

?

悲観的な未来を可視化することが地域に与える心理的影響をどう扱うか

?

シミュレーション結果を、行政の意思決定プロセスにどう組み込めるか

05 NEXT

次にやること

再現性の見立て

動的な可視化によって市民の当事者意識を高めるというアプローチ自体は、人口問題を抱えるどの地域にも応用可能。sim1/sim2共にデータを差し替えれば他地域版を構築でき、sim1の因果ループ図エディタはテーマを変えて他の政策課題にも転用できる。

06 INVOLVEMENT
企業

政策可視化・市民参加ツール

自治体向けの政策シミュレーションや市民参加型の意思決定支援に関心のある企業、シンクタンクの方へ。

  • 可視化モデルの精度向上
  • 市民参加型ワークショップの共同設計
  • 他自治体への展開支援
研究者

人口動態・政策シミュレーション研究

人口減少、システムダイナミクス、市民参加型政策設計に関心のある研究者の方へ。

  • 因果モデルの学術的検証
  • 市民参加型シミュレーションの効果測定
  • 他地域との比較研究
サポーター

地域での対話・活用

壱岐の将来を考える対話の場で、シミュレーションを活用したい方。行政・議会・地域団体の方。

  • ワークショップでの因果ループ図の活用
  • 地域計画策定への参考利用
  • 住民説明会での可視化ツールとして
個人

開発・データ整備への貢献

データ可視化、フロントエンド開発、統計分析のスキルを持つ方。

  • 因果ループ図エディタのUI改善
  • シナリオシミュレーターの開発
  • グラフ・チャートの表現改善

人口シミュレーションに関わりたい方はお気軽にご連絡ください。

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07 PROJECT INFO

タイムライン

(準備中)

体制

企画・開発 (Members Only)

関連プロジェクト

壱岐島ワークデザイン構想 →壱岐オープンダイアログ →

関連リンク

sim1(因果ループ図) →sim2(未来シナリオ) →参考: 日立評論「社会駆動型AI」 →
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